COLOR04

身体そのものがキャンバスとなるウェット＆メッシー映像作品。「COLOR04」は、液体の質感と色彩が支配する独特な官能空間を描く。どこか無機質な撮影環境の中、女性が一人きりで黙々と絵の具を塗り広げていく姿は、儀式にも似た緊張感を纏う。青・黄・オレンジ・緑と重ねられる色層の中で、観る者は視覚的な快楽とともに、自己陶酔の果てにある解放を目撃する。音よりも静寂が支配する構成が、絵の具が肌を覆う音――ぬるりとした粘着の響きをより際立たせているのが印象的だ。

彼女は素人然とした自然体の女性。顔立ちを隠さず、感情を抑えたまま動作だけで世界を作る点に、ココアソフト特有のミニマルな美学がある。開口器をはめる動作も強制的であるはずなのに、どこか自発的な雰囲気を伴い、観者との間に微妙な支配と服従の構図を生む。口コミでも「汚れる女性を見て興奮した」「自ら開口器をはめる行為に衝撃を受けた」と評されるように、羞恥を自ら演出する姿に惹きつけられる。

中盤から後半にかけては、小麦粉液による粘度の高い演出が展開。全身が白濁の層で覆われ、境界を失った身体がローターの震動に反応する様が続く。表情の揺らぎとともに吐息が微かに漏れ、「イク」という単語だけが空気を切る――レビュアーの言葉通り、ここに至ってようやく感情が噴出する。視覚で塗り込められてきた沈黙が、ひとつの言葉によって崩れる瞬間の高揚が、無言劇のようなエロスを完成させる。

本作が属する「COLOR」シリーズは、色・質感・沈黙を三本柱に据えた実験的フェチAVの系譜にある。衣装やストーリーではなく、液体そのものを性的装置として扱う構成は、ウェットフェチ・汚れフェチ・感覚支配型といったジャンルを横断。碇けいいち監督の演出は、身体を塗る行為を「見せつける快楽」に昇華し、観る者の内部に羞恥と陶酔を同時に呼び起こす。シンプルな構図でありながら映像としての完成度が高く、“何かが残る”という口コミ評も納得の逸品だ。